お正月に飾る植物としておなじみの千両・万両・南天。
赤い実が美しく、縁起がよいことで知られていますが、それぞれの違いや意味をご存じですか?
また、正月飾りに欠かせない松も、古くから親しまれていますね。
千両・万両・南天や松は、どのような理由からお正月に飾られるようになったのでしょう。
この記事では、これらの植物の特徴や縁起のよい理由、またインテリアへの取り入れ方や育て方についてもご紹介します。
- 千両・万両・南天の違いと縁起物としての意味
- 万両を鉢植えで育てるポイント
- お正月に松を飾る理由
- 松の苔玉の魅力と管理方法
ぜひ、最後までご覧ください。
千両・万両・南天の特徴と違い
お正月に、千両・万両・南天をみかける機会が多くなりますが、その違いについてご存じない方も多いでしょう。
それぞれの特徴についてまとめてみました。
項目 | 千両 | 万両 | 南天 |
科・属 | センリョウ科・センリョウ属 | サクラソウ科・ヤブコウジ属 | メギ科・ナンテン属 |
実の特徴 | 葉の上に実が乗る | 葉の下に実が隠れる | 房状に実がつく |
葉の形状 | ノコギリ刃状のギザギザ | 波打つような形 | 細長く笹のような形 |
主な用途 | お正月の飾り・切り花 | 鉢植え・庭植え | 庭木・おせち料理の飾り |
特徴的な意味 | 商売繁盛の縁起物 | 富と繁栄の象徴 | 厄除けや災難除けの象徴 |
「千両」「万両」には、白い実を付ける種類(白千両、白万両)もあります。
紅白の実を合わせて飾ると、おめでたい印象になるわね。
千両・万両・南天が縁起物とされる理由
千両・万両・南天は、なぜ縁起がよいとされ、お正月に飾られることが多いのでしょうか。
縁起物としての意味
千両
「千両」という名前から「千の富」を意味し、金運アップの象徴です。
財産を意味し、商売繁盛の縁起物として重宝されてきました。
赤い実が密集してつく様子は、豊穣や繁栄を象徴し、新年の幸運を祈る意味合いが込められています。
万両
「万両」という名前が示すように、「万の富」を意味します。千両よりも名前が豪華なため、縁起が良いとされています。
千両よりも実が垂れ下がる姿が”お金がぶら下がっている” と例えられ、家運隆盛を象徴します。
千両と同様に、商売繁盛や家内安全を願う縁起物として、正月飾りに用いられることが多いです。
南天
「難を転じて福となす」という語呂合わせから、厄除けや災難除けの象徴として親しまれています。
お正月の飾りとしてはもちろん、古くから「庭木の厄除け」として玄関先や家の鬼門(北東)に植えられ、家内安全を願う意味があります。
おせち料理の彩りとして葉が使われるのも、南天の持つ魔除けの意味合いが込められています。
それぞれの意味を知ることで、特別感が増すわね。
万両を鉢植えで育ててみよう
万両は、千両や南天と比べて、鉢植えでも育てやすく、室内での管理にも向いています。
見た目も華やかで、冬のお部屋を彩ってくれますよ。
縁起も良い万両を、鉢植えで育ててみましょう。
置き場所
万両は、本来、森林の木陰に自生する植物です。
そのため、直射日光を嫌い、明るい日陰を好みます。
置き場所は、半日陰が理想的です。
強い日差しを避けつつ、風通しの良い場所で管理しましょう。
水やり
春から秋は、土の表面が乾いたら水をたっぷり与えます。
冬は、生育が緩やかになるため、水やりの頻度を減らします。
土の表面が乾いてから2〜3日後に水を与えてください。
土と肥料
水はけの良い土が適しています。
次のおすすめの配合の例を参考にしてください。
- 赤玉土(小粒)8:腐葉土2
- 赤玉土1:腐葉土1:鹿沼土1
肥料は、生育期の春と秋に、緩効性化成肥料を月に1回程度、または液体肥料を月に2〜3回程度施します。
植え替え
植え替えの適期は、4〜5月頃です。
コンパクトに育つので、小さめの鉢でも管理できますが、2〜3年に1回程度の植え替えが必要です。
万両は細い根が少ないため、根を傷つけないように丁寧に作業しましょう。
剪定
万両は枝の本数がそれほど多くないため、基本的には剪定の必要がありません。
栽培期間が長くなり、樹形が乱れてきてしまったら、ばっさりと切り詰めて仕立て直すことができます。
鉢植えで育てて、インテリアに取り入れてみてね。
赤い実が冬のお部屋に映えるわよ。
お正月に松を飾る3つ理由
正月飾りには、千両、万両、南天だけでなく、松も欠かせないですね。
次の理由から、松は新年の幸運を祈る存在として親しまれています。
お正月には、その年の福や徳を司る「年神様(としがみさま)」が各家庭に訪れるとされています。
門松は、神様が家に来る際の目印、「依り代」としての役割を果たします。
松は一年を通して青々とした葉を保つ常緑樹です。
このことから、永遠の命や不老長寿の象徴とされ、縁起の良い植物として古くから神聖視されてきました。
松は、厳しい冬の寒さの中でも緑を保ち、力強く成長する生命力を持っています。
このことから、忍耐力や力強さの象徴とも捉えられています。
松って、威厳あるものね。
松の苔玉をインテリアに
松は、お正月だけでなく、一年を通じて楽しめる縁起物です。
松の苔玉を、インテリアに取り入れてみませんか?
苔玉の魅力
苔玉とは、植物の根を用土で球状に包み、その周りにコケ植物を張り付けて固定したものです。
見た目は丸く、可愛らしい形状をしており、インテリアとしても注目されています。
丸くてコロンとした形がかわいらしく、和風にも洋風にも合う
植物と苔の組み合わせが美しく、小さなアート作品のよう
場所を取らないので、小さなスペースでも飾れる
植物を育てる楽しさを気軽に味わえる
緑と苔の自然な風合いが、心を落ち着かせてくれる
フワフワした独特の触感が気持ちよい
威厳ある松もかわいらしく!
松の苔玉のお手入れ方法
苔玉は、お手入れのポイントさえ押さえれば、初心者でも楽しめます。
水やり
手にもって、軽くなっていたら水をたっぷり与えます。
バケツなどにためた水に、玉の部分がつかるように入れてください。
乾いた苔玉からは水が浸みこむと泡がでてくるので、泡がとまるまで漬けましょう。
置き場所
基本的に、屋外の風通しの良いところが望ましいです。
室内で育てる場合、2〜3日に1回は、屋外の明るい日陰や半日陰に置きましょう。
室内に置きっぱなしにしてしまうと、苔が蒸れて根腐れをおこしたり、カビが生えてくることがあります。
日当たり
松は、日当たりを好みます。
苔玉は、柔らかい日差しを好み、直射日光は苦手です。
松の苔玉は、直射日光を避けた明るい場所に置くとよいでしょう。
松も苔も元気に育って!
縁起のよい植物でお正月気分を盛り上げよう:まとめ
お正月に飾る縁起のよい植物をご紹介してきました。
ここでまとめます。
- 千両:葉の上に実が乗る・葉はノコギリ刃状・切り花
- 万両:葉の下に実が隠れる・葉は波打つ形・鉢植え
- 南天:房状に実がつく・葉は長く笹の形・庭木
- 千両:千の富、商売繁盛
- 万両:万の富、家運隆盛
- 南天:難を転じて福となす
- 置き場所:半日蔭
- 水やり:土の表面が乾いてからたっぷり
- 土:水はけのよい土
- 植え替え: 4〜5月頃
- 剪定:基本的には必要なし
- 年神様お依り代としての役割
- 不老長寿の象徴
- 生命力と忍耐力の象徴
- 見た目がかわいい
- 手軽に自然を楽しめる
- 癒される
- 水やり:軽くなったらたっぷりと
- 置き場所:風通しのよい所
- 日当たり:直射日光を避けた明るい場所
お正月の縁起物として親しまれてきた植物、千両・万両・南天、そして松。
それぞれに込められた意味を知ることで、楽しみ方がより広がります。
お正月は、ぜひこれらの植物をインテリアに取り入れて、幸運な一年のスタートを迎えてください。
さらに、鉢植えや苔玉を育ててみることで、長くその魅力を楽しめるでしょう。
植物に囲まれたステキな年になりますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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