観葉植物として人気のあるコーヒーの木。
つややかな緑色の葉は、お部屋のインテリアとしても魅力的です。
「コーヒーの木というけど、コーヒー豆はなるの?」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
観葉植物として販売されているコーヒーの木でも、大きく育てば実をつけます。
この記事では、観葉植物のコーヒーの木に実をつけるための育て方を解説します。
- コーヒーの木の基本的な育て方
- コーヒーの木を大きく育てるポイント
コーヒーの木の基本情報

原産地は、コーヒーベルトと呼ばれる赤道から上下に北緯25度から南緯25度までの地域です。
コーヒーの三大原種は、アラビカ種・カネフォラ種・リベリカ種。
観葉植物として出回るのは、主にアラビカ種です。
また、コーヒー豆として出回る60%も、アラビカ種ともいわれています。
アラビカ種は、エチオピアの高山帯が原産です。
現在エチオピアをはじめブラジル、グアテマラ、インド、コロンビアなどで生産されていますよ。
コーヒーの木は、1m以上に成長すると、ジャスミンのような甘い香りの白い花が咲きます。
やがて、緑色の実をつけ、徐々に赤く色づき、濃い褐色へと変化するのです。

熟した実はチェリービーンズと呼ばれますよ。
花が咲いてから実が熟すまでは、1年近くかかりますので、気長に待ちましょう。
この実の中に2粒の種子が入っており、これがコーヒー豆となります。
観葉植物のコーヒーの木でも実はなる?


コーヒーの木は、つややかな緑色の葉が魅力的な観葉植物です。
観葉植物でとして購入したコーヒーの木でも、実をつけるのでしょうか。
次の投稿では、一般の家庭でコーヒーの木から実をつけた様子がわかりますよ。
コーヒーの木の基本の育て方


コーヒーの木は、100均でもみかけることが多く、比較的入手しやすい植物ですね。
ポットの苗木で購入した、コーヒーの木の基本的な育て方を解説します。
置き場所
観葉植物として楽しむ場合は、窓辺などの日当たりのよい場所に置いてください。
コーヒーの木は、寒さが苦手です。
10℃を下回らないよう、夜は窓から離れた場所に移動させましょう。
コーヒーの木は、日光が大好きなので、春や秋の光が優しい季節は、屋外で育てる方が元気に成長します。
大きく育てたい場合は、夏と冬以外、屋外に出すといいでしょう。
ただし、室内の光が少ない場所から、突然日の当たる場所に出すと、葉焼けを起こすことがあります。
1~2週間かけて、徐々に屋外に移動してくださいね。
また、冬寒くなってから急に屋内に取り込まず、少しずつ慣らしながら屋内に取り込むようにしましょう。
水やり
水は、鉢の表面がからっと乾いたら、鉢底からあふれるほどたっぷりと与えます。
植物は、土の中の根が冷えると寒さに負けてしまうことがあります。
寒い季節になったら、水やりの回数を減らしましょう。
コーヒーの木は、気温が低くなると成長が緩やかになり、気温が10℃を切ると休眠期に入ります。



寒い時期、コーヒーの木は水分をあまり必要としません。
土がからっと乾いてからもすぐには水を与えず、土が完全に乾いてから与えましょう。
土の中の水分量を確認するには、水やりチェッカーが便利ですよ。
なお、水を与えるのは、できるだけ暖かい日の午前中を選んでください。
寒い季節でも、水の量は生育期と同じように、たっぷりと与えましょう。
肥料
コーヒーの木が生育するのは、春と秋の間です。
肥料は、基本的に4~10月の生育期に与えましょう。
4月頃から、緩効性の肥料を与え始めて、秋の終わりまで安定的に肥料が効くようにします。
7月までは、緩効性肥料に加えて、液体肥料を規定濃度に薄めて与えてもいいでしょう。
ただし、暑さが厳しいと植物自体に負担がかかり、トラブルが起きやすくなります。



真夏は、肥料をなるべく控えるようにしてください。
10月は、寒い冬を迎えるための準備期間です。
この期間は、春と同様、液体肥料を与え、株を強くしてあげましょう。
植え替え
コーヒーの木はとても生育が旺盛です。
ぐんぐん大きくなり、すぐに鉢の中に根がまわり詰まってしまいます。
根詰まりを起こすと、葉の先が茶色く枯れることがありますよ。
成長にあわせて、毎年または2年に1回程度、一回り大きな鉢に植え替えましょう。



コーヒーの木の植え替え適期は、5月~7月です。
我が家のコーヒーの木は、まだ寒い年明けから新芽を出すようになりました。
気温は低いのですが、春が近いことを感じているのでしょうか。
しかし、葉先が茶色くなっています。
根詰まりを起こしているようなので、5月頃植え替え予定です。


コーヒーの木を大きく育てるコツ


コーヒーの木の基本的な育て方はわかったところで、ここからどのように大きく育てるのでしょうか。
大きく育てるコツは、鉢の大きさと肥料の与え方にあります。
最初は、小さな苗を、毎年一回り大きな鉢に植え替えて育てます。
5年~7年程で、150cm程まで大きくなったら、その後はあえて鉢のサイズを変更せずに、根詰まりを起こさせます。
その上で、肥料を与えるをやめると、コーヒーの木は実をつけます。



突然訪れた環境に身の危険を感じ、子孫を残そうとするのです。
コーヒーの木につく害虫や病気


植物を育てていると、害虫の被害や病気に直面してしまうことがあります。
コーヒーの木につきやすい害虫や病気についても、知っておきましょう。
害虫・病気 | 特徴 | 対処方法 |
ハダニ | 20~30℃位の乾燥した環境で発生しやすい害虫。 葉の裏側につき、汁を吸って植物を弱らせる。 | ・ガムテープで引きはがす。 ・殺虫剤を散布。 ・普段から葉水することで予防 |
カイガラムシ | 綿毛を背負っているような見た目。 5~7月に繁殖し、栄養を吸って弱らせる害虫。 | ・幼虫は殺虫剤を散布。 ・成虫は薬剤が効きづらいため、ブラシで落とす。 |
サビ病 | 春と秋の、雨が多い時期に発生しやすい病気。 葉に小さなクリーム色の斑点が広がる。 | ・被害にあった部分を切り落とす。 ・全体に広がっているときは株ごと処分。 ・肥料は成分のバランスがよいものを選ぶ。 ・風通しのよい環境を作る |
観葉植物のコーヒーの木からコーヒー豆をとろう: まとめ
ここまで、観葉植物として購入したコーヒーの木から実をつける方法について、解説してきました。
まとめます。
- コーヒーの木の原産地は、赤道から上下に北緯25度から南緯25度までのエリア
- 1m以上に成長すると、花が咲き、やがて実をつける
- 熟した実の中の種子がコーヒー豆になる
- 置き場所:日当たりのよい場所。大きく育てるには、春・秋は屋外に出す
- 水やり:鉢の表面が乾いたらたっぷりと。冬は水やりを控えめに。
- 肥料:成長期の春から秋の間に与える
- 植え替え:5月から7月が適期。成長が早いので2年に1度は植え替え。
- 150cm程になるまで、大きな鉢に植え替えながら成長させる。
- その後は、鉢を替えず肥料もストップすると、危険を感じて実をつける。
- ハダニ:ガムテープではがす・殺虫剤・葉水で予防
- カイガラムシ:殺虫剤・ブラシで落とす
- さび病:被害にあった部分を切り落とす、肥料のバランスを見直し、風通しのよい環境
コーヒーの木は、つややかなグリーンの葉が魅力的な観葉植物です。
生育旺盛で、ぐんぐん大きくなる姿に、元気をもらえます。
もっと大きく育てて、花や実をつけることができたら、と思うとわくわくしませんか?
毎日観察し、大切に育てることで、植物の楽しみ方をみつけていただけたら、うれしいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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