クリスマスを彩るポインセチア。
せっかく買ったのに、すぐ枯れてしまった……そんな経験はありませんか?
来年も赤く色づかせようとチャレンジしたものの、失敗してしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ポインセチアは、一般的な観葉植物と同じように管理しているだけでは、順調に翌年まで育ってくれません。
この記事では、ポインセチアを枯らさずに育てるポイントと、来年も赤く色づかせる方法について解説します。
- ポインセチアを枯らさずに育てる方法
- ポインセチアを赤く色づける方法
- ポインセチアの年間管理方法
今度こそ失敗しないために、ぜひ参考にしてくださいね。
ポインセチアの基本情報と特徴
まずは、ポインセチアの基本情報をお伝えします。
学名 | Euphorbia pulcherrima |
和名 | ショウジョウボク(猩々木) |
科名/属名 | トウダイグサ科 / トウダイグサ属 |
原産地 | メキシコおよび中央アメリカ |
形態 | 常緑性低木 |
苞の色 | 赤、ピンク、白、クリーム色、紫、斑入りなど多様 |
開花期 | 11月〜1月 |
耐寒性 | 最低温度は約10℃。霜に弱い |
日照条件 | 明るい場所を好むが直射日光は避ける |
短日植物 | 日照時間が短くなると花芽を付ける |
ポインセチアは、メキシコ原産の植物です。
赤い部分は苞(ほう)といい、花ではなく葉が変化したものです。
真ん中の黄色い部分が本当の花になります。
クリスマスに多く出回ることから、寒さに強い印象があるかもしれませんが、実は寒さには弱い植物です。
また、ポインセチアを赤く咲かせるには、「短日処理」と呼ばれる方法が必要です。
短日処理については、後ほど詳しく説明します
ポインセチアがクリスマスの花となった理由
ポインセチアは、赤と緑の葉のコントラストが美しく、クリスマスにぴったりの花ですね。
17世紀、メキシコに移住したキリスト教の宣教師が、ポインセチアの赤い苞を「清純なキリストの血」、緑の葉を「永遠の象徴」、白い樹液を「純潔」と考えました。
また、ポインセチアの花姿が、聖地ベツレヘムの星を連想したと言われています。
これがキリスト教の教義と結びつき、クリスマスの花として広まったのです。
ポインセチアと呼ばれるようになったのは、アメリカ合衆国の初代メキシコ大使J.R.ポインセットが、アメリカにポインセチアを紹介したことに由来しています。
メキシコでは、「ノーチェ・ブエナ」(聖夜)と呼ばれていますよ。
ポインセチアを枯らさないための3つのケア
まず、ポインセチアは寒さに弱いということを念頭におくと、育て方も理解しやすくなります。
植え替え
ポインセチアを購入直後、自分の鉢に植え替えてはいけません。
鉢植えのポインセチアの根は、あまり発達していません。
植え替えて、根をくずすと、すぐに根が傷ついてしまいます。
冬は、ポインセチアの休眠期になので、その後根が発達せずに、すぐに枯れてしまいます。
ポインセチアの植え替えは、4月中旬〜5月中旬が適期。
平均気温が20℃を上回るようになったら、植え替えの目安です。
5号以下の小さい鉢で育てているなら毎年、6号以上の大きめの鉢であれば、2〜3年に1回の頻度で植え替えましょう。
なお、クリスマスシーズンに販売されているポインセチアは、きれいにラッピングされていることも多いですね。
自宅で育てる場合は、ラッピングはとってしまいましょう。
水やりの妨げにもなりますし、鉢の状態を確認できなくなりますよ。
水やり
水やりは、土の表面が乾いて3~5日経ってから、たっぷりと与えることが基本です。
冬に水を与えすぎてしまうと、根が水分を吸収できずに、根腐れを起こしてしまいます。
鉢をもって軽くなっていたら、鉢の水分がなくなっています。
タイミングが難しいときは、水やりチェッカーを使うといいですよ。
水やりは、口の細い水差しなどを使って、株元の土にゆっくりと水を与えてください。
根は水分のほか酸素も吸って呼吸もしています。
土の中の酸素を入れ替える気持ちで、鉢底から流れ出るまでたっぷりと水やりしましょう。
水の流出が、止まってきたら、鉢底にタオルを敷いてみてください。
30分以上経過してからタオルの状態を確認すると、タオルがかなりの水を吸っていますよ。
これで、余分な水分が抜けて、鉢には適度な水分が保たれた状態になります。
温度
ポインセチアは適温で育てることで美しい葉色を保つことができます。
ポインセチアは、10℃以下で葉を落としてしまいます。
20〜30℃が望ましく、最低温度が15℃以上あることが理想です。
冬場は窓際の冷気やエアコンの風が直接当たらないように注意が必要です。
温度変化が激しい場所も避けましょう。
窓に接した場所は、日が落ちると寒くなります。
夜、窓際や玄関など、冷え込む場所に置くことは避けましょう。
また、床に直接置くのではなく、敷物の上に置いたり、棚の上に置くことで、寒さがやわらぎます。
冬は、鉢ごとタオルに包む、鉢カバーで防寒するなど、工夫してみてくださいね。
日中は、できるだけ日に当てましょう。
ポインセチアを赤くする短日処理
ポインセチアの美しい赤い葉は、自然に色づくわけではありません。
「短日処理」という特別なお手入れが必要です。
この処理をしっかり行えば、クリスマスに鮮やかな赤色を楽しめますよ。
短日処理の重要ポイント
クリスマス時期に色づけたい場合、9月下旬から10月上旬にスタート
ポインセチアを1日12〜14時間、光の当たらない完全な暗闇に置く
夕方5時から翌朝8時までを目安に、ダンボールや布で覆う、クローゼットに移動するなど
短日処理例
時間帯 | お手入れ内容 |
---|---|
17:00 | ポインセチアにダンボールを被せる(隙間はクラフトテープでふさぐ) さらに、ダンボールの上に黒い布を被せる |
翌朝 8:00 | 布とダンボールを外し、日光に当てる |
・光漏れ厳禁!スマホや照明のわずかな光でも効果がなくなるので、しっかりと遮光すること。
・ 約2か月間、毎日続ける(葉が赤く色づき始め、中心に花芽が付いてきたら終了)
・短日処理中も水やりや通常のケアは忘れずに。
・光を浴びる時間は、1日6時間以上が理想
手間をかけた分、赤い花が楽しみですね!
ポインセチアの年間管理
ポインセチアの年間管理について、まとめてみました。
春(4月〜5月)
- 一回り大きな鉢に植え替える
- 日当たりの良い場所に置く
- 剪定は7月までに終わらせる
- 1か月に1回、固形の肥料を与える
夏(6月〜8月)
- 30℃を超える日は半日陰に置く
- 剪定は7月までに終わらせる
- 1か月に1回、固形の肥料を与える
秋(9月〜10月)
- 10月中旬頃に室内に取り込む
- 最低温度10℃以上を維持する
- 短日処理を20日以上続ける
- 1か月に1回、固形の肥料を与える
冬(11月〜3月)
- 休眠期のため、水やりは控えめにする
- 明るい窓際に置くが、夜は窓から離して冷気を避ける
- 肥料は与えない
- 苞が色あせる1~3月に剪定。2節目より上を切ることで新芽が伸びやすくなる
年間を通じて
- 生育期(4〜9月)は、月1回程度肥料を与える
- 水やりは土の表面が乾いてから行う
- 直射日光は避け、明るい場所で育てる
秋以降のお手入れがポイントですね。
今度こそ、赤いポインセチアを咲かせよう!:まとめ
ここまで、ポインセチアを枯らせる育てるポイントや、赤く色づかせる方法について解説してきました。
まとめます。
- ポインセチアを買ってすぐに植え替えない
・植え替え時期は4月中旬〜5月中旬
- 冬場に水をやりすぎない
・土の表面が乾いて3~5日後
・水やりチェッカーで確認
・鉢が軽くなってから
・水やり後、鉢の下にタオルを敷く
- 温度は10℃を下回らないようにする(15℃以上が理想)
・窓際や玄関には置かない
・直接床には置かない
・鉢をタオルやカバーなどで包む
- 日照時間を12時間以下にする
- 9月末~10月上旬から毎日継続する
- 夕方5時~朝8時位の時間にダンボール等をかぶせて暗くする
- 春(4月〜5月)
一回り大きな鉢に植え替える - 夏(6月〜8月)
30℃以上にならによう半日陰に移動する - 秋(9月〜10月)
・最低温度10℃以上を維持できるよう室内に移動させる
・短日処理を20日以上続ける - 冬(11月〜3月)
・水やりは控えめにする
・夜は窓際から離す
・冷えすぎない工夫する
・1月以降に剪定する
クリスマス時期だけ愛でるのではなく、年間を通してポインセアを大事に育ててみませんか?
正しいケアを続けることで、クリスマスには一段と鮮やかなポインセチアが楽しめます。
今度こそ、ポインセチアを枯らさずに、来年も赤く色づかせましょう。
手間をかけた分、よりいっそうステキな冬のお部屋となりますよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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