アンスリウムは、赤やピンクなどの鮮やかな色合いが魅力の観葉植物です。
グリーンの中に色味があるとアクセントとなり、インテリアもぐっとおしゃれな雰囲気になります。
アンスリウムをお店で買った時点では、きれいな赤い色をしていたのに、気が付いたら緑色になっていた、というご経験はありませんか?
そこで、アンスリウムがなぜ赤くならないのか、また再び色づくための方法はあるのか、という点を調べました。
この記事では、アンスリウムが赤くならない理由とその解決策を解説します。
- アンスリウムの特徴
- アンスリウムが赤くならない原因
- アンスリムの花芽をつける方法
- アンスリウムのインテリア案
アンスリウムの特徴
まず、アンスリウムの基本情報からみていきましょう。
アンスリウムの基本情報
基本情報を押さえると、育て方がイメージしやすくなります。
項目 | 詳細 |
科名 | サトイモ科(Araceae) |
和名 | 大紅団扇(オオベニウチワ) |
原産地 | 中南米の熱帯地域(特にコロンビア、エクアドル) |
開花時期 | 一年中(特に春~夏に多く開花する) |
耐寒性 | 弱い(10~15℃以上の温度が必要) |
耐暑性 | 強い(高温多湿に適応) |
湿度 | 高湿度を好む(60~80%推奨) |
サトイモ科の植物
アンスリウムは、サトイモ科の植物です。
サトイモ科の植物は、丸みを帯びたハート型や矢じり型の葉が多く、光沢のある緑色の葉が特徴的です。
生育環境は、湿度が高く温暖な熱帯や亜熱帯地域に多く生育しています。
サトイモ科でなじみのある植物をご紹介しますね。
ポトス、モンステラ、フィロデンドロン、セロームなどもサトイモ科の植物です。
たしかに、共通点があるわね。
いずれも、サトイモ科ならではの美しい葉と、室内環境に適応しやすい性質を持つ、人気の高い植物です。
アンスリウムの花
アンスリウムの赤い部分は花なのでしょうか?
一見、花のようにみえるのですが、実は花ではありません。
花のようにみえる部分は、「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれます。
仏炎苞は、花芽を保護するための特殊は葉の一種です。
赤が多いのですが、ピンク、白、緑、紫などさまざまな色があります。
仏炎苞は、鮮やかな色や光沢で昆虫などを引き寄せる役割があります。
特に赤い色は目立ちやすく、花粉を運んでくれる昆虫を効果的に誘います。
では、花はどこにあるのかしら?
仏炎苞の中央から突き出ている棒状の部分は「肉穂花序(にくすいかじょ)」と呼ばれます。
この部分に、小さな本当の花が密集しています。
仏炎苞は、中央にある小さな本当の花を守り、水分を保つことで花を長持ちさせる働きもしているのです。
アンスリウムに似た植物として、スパティフィラムやカラーがあります。
いずれも、サトイモ科の植物で、仏炎苞に包まれた肉穂花序を持ちます。
赤い部分は、実は花ではなかったのね
アンスリウムが赤くならない原因
お店には、色鮮やかなアンスリウムが並んでいます。
たしかに、最初は赤かったアンスリウム。
どうして緑色になってしまったのでしょうか。
実は、我が家のアンスリウムも緑色になってしまいました。
お店で買ったときは、赤かったはずなのに……
光不足
アンスリウムは明るい間接光を好みます。
光が不足すると、赤く色づきません。
日光不足の場所では、色が薄くなり、緑色になりやすいのです。
栄養不足
リンやカリウムが不足すると、赤く色づきにくくなります。
適切な肥料を定期的に与えることが大切です。
生育期(5月〜10月頃)に定期的に与えてください。
温度管理
アンスリウムは温暖な環境を好み、温度が低いと赤い色が出にくくなります。
特に冬場に15℃以下になると、赤くなることは少なくなります。
湿度不足
アンスリウムは湿度の高い環境を好むため、乾燥すると赤くならないことがあります。
特に室内の空気が乾燥している冬場には、湿度管理が重要です。
老化
これらのことが当てはまらない場合は、老化でしょう。
長期間色づいたままの状態を保つのは難しく、時間が経つと緑色に変わることがあります。
これは自然な現象なので、新しい花芽ができていれば、心配することはありません。
新しい花芽をつくるためには、次のことを見直してくださいね。
アンスリウムに花芽をつける方法
アンスリムに健康な花芽をつけるためには、次の点に注意しましょう。
十分な光を確保
アンスリウムに花芽をつけるためには、明るい間接光が必要です。
窓際の明るい場所で育てましょう。
しかし、直射日光は避けてくださいね。
葉焼けしてしまいます。
適切な温度を保つ
アンスリウムにとって理想的な温度は18~25℃です。
寒すぎると花芽がつきにくくなるため、特に冬場は室内の温度管理に気を配りましょう。
湿度を高める
湿度の低い環境では、花芽がなかなか成長できません。
加湿器などで、適切な湿度(60~80%)を維持してください。
葉に水をスプレーする葉水も効果的です。
特に、夏場や暖房を使用する冬場は、乾燥が気になるため、頻繁に葉水を行ってくださいね。
肥料を定期的に与える
花芽をつけるためにはリンが豊富な肥料を使用してください。
春から夏にかけて、2~4週間ごとに肥料を与えるといいでしょう。
根詰まりを防ぐ
鉢が小さくなり根詰まりを起こすと花芽がつきにくくなります。
2~3年に一度、鉢を一回り大きくして植え替えるといいでしょう。
古い花(仏炎苞)を摘む
アンスリウムは、古くなると花(仏炎苞)の色が褪せていきます。
そのまま残していては、新しい花芽つきづらくなってしまいますので、摘んでしまいましょう。
早めに次世代の花を咲かす準備を整えるのです。
緑になった花は摘む必要があるのね
アンスリウムのインテリア案
鮮やかな色のアンスリムは、お部屋のアクセントになります。
アンスリウムをインテリアとして素敵に飾るアイデアをいくつかご紹介します。
シンプルな鉢で色を引き立てる
鮮やかな赤やピンク色が特徴のアンスリウムは、シンプルな白や黒、グレーの鉢に入れると、色のコントラストが際立ちます。
植物に色がある分、鉢は落ち着いた色合いにすると、おしゃれな雰囲気になります。
北欧風インテリアやシックなモダンスタイルにピッタリです。
ミニマルな飾り棚に置く
小さめのアンスリウムは、壁に取り付けたミニマルな飾り棚に置くといいでしょう。
視線が自然と花に集まり、部屋のアクセントになります。
背の高い植物や小物と一緒に並べてもバランスが良くなりますよ。
多肉植物や観葉植物と組み合わせる
アンスリウムの鮮やかな色と葉の質感は、多肉植物やサンスベリア、モンステラとマッチします。
緑豊かな植物と合わせることで、全体の雰囲気が生き生きとしますよ。
また、アンスリウムの鮮やかな色が、アクセントとなります。
棚や大きな鉢の中に複数の植物をまとめて、自然の小さなオアシスを作ってみるのもいいですね。
ステキ!想像するだけでワクワクするわね!
お部屋の雰囲気を変えてみませんか?【観葉植物|AND PLANTS】
アンスリウムのギフトとしての魅力
アンスリウムは、見た目の華やかさと育てやすさから、ギフトとしてもおすすめです。
いくつかのプレゼントアイデアをご紹介しますね。
美しい花色
アンスリウムは赤、ピンク、白、紫など多彩な色合いがあり、見た目が華やかです。
贈る相手の好みやインテリアに合わせた色を選ぶと喜ばれます。
例えば、明るい赤は元気が出る印象で、白は清楚でシックな雰囲気にぴったりです。
育てやすさ
半日陰でも育つため、室内での栽培にも適しています。
丈夫で育てやすく、初心者でも扱いやすい植物です。
特別な意味
アンスリウムはハート型の仏炎苞を持ち、愛や感謝の気持ちを表す花言葉があります。
そのため、特別な日や感謝の気持ちを伝えるギフトとしても最適です。
アンスリウムの花言葉は、「情熱」「煩悩」「恋に悶える心」です。
熱帯のパッションを感じますね。
色によって、花言葉が少し違ってきますので、参考にしてくださいね。
- 赤:情熱
- ピンク:飾らない美しさ
- 白:熱心
- 緑:無垢な心
赤いハートのプレゼントなんて、ステキね!
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鮮やかな色のアンスリウムを楽しみましょう
ここまで、アンスリウムが赤くならない原因や対処方法について解説してきました。
まとめます。
- 中南米の亜熱帯地方が原産のサトイモ科の植物
- 耐寒性に弱く高湿度を好む
- ポトス、モンステラ、フィロデンドロンなどもサトイモ科の植物
- 赤く花のようにみえる部分は仏炎苞
- 仏炎苞の中央から突き出ている肉穂花序に小さな本当の花が密集
- 原因は、光不足・栄養不足・温度管理・湿度不足・老化
- 対処方法は、十分な光、適切な温度と湿度、肥料、根詰まり防ぐ、古い花を摘む
- シンプルな鉢で色を引き立てる
- ミニマルな飾り棚に置く
- 多肉植物や観葉植物と組み合わせる
- 美しい色、育てやすさ、特別な意味(花言葉)からギフトも人気
アンスリウムが鮮やかな色を保っていると、お部屋の雰囲気が明るくなります。
また、きれいな花を保とうとすることは、植物と対話をすることです。
そのことで、自分自身も元気で楽しい生活を送れるでしょう。
アンスリウムは、適切なケアを行うことで、鮮やかに色づき、花芽をつけやすくなります。
成長環境を整え、日常のケアを心がけることで、アンスリウム本来の美しさを長く楽しんでくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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