せっかくきれいな花をいただいても、切り花の命は短くて、数日から長くても一、二週間。
しおれていく花を見ながら、捨てるのがどうにも忍びない——そんな経験、一度はあるのではないでしょうか。
私は、以前から花のサブスクを利用していて、毎週のように花が手元に届きます。
あるとき、まだ元気なうちにドライにしてみたら思いのほかきれいに残ってくれました。
それ以来、まず水差しで楽しみ、その後ドライにするのが習慣になりました。
ただ、やってみてわかったのは、ドライフラワーは思ったより奥が深いということ。
ただ吊るしておくだけだと、色が茶色くくすんでしまったり、花びらがポロリと落ちてしまったり、とイメージ通りいいかないことも多々あります。
きれいに残すには、ちょっとしたコツがいるのです。
この記事では、私がドライフラワーを実際に試して感じたことと、これから試してみたいことをお伝えします。
ドライフラワーは花を選ぶ

まず大前提として、どんな花でもきれいにドライになるわけではありません。
同じように吊るしても、鮮やかに残る花もあれば、どうやっても茶色くしぼんでしまう花もあります。
ざっくり言うと、水分が多い・花びらが薄い・大ぶり——このどれかに当てはまる花は、乾くまでに時間がかかって、その間に傷んでしまいがちです。
よくもらうけど、ドライに向かない花
花束でよくいただく花にも、ドライに向かないものは多いです。
私が実際に試して「うまくいかなかった」と感じたのは、まずひまわり。
色は、残ってくれていても、最終的には花びらがハラハラ落ちてしまって、中心だけが残っていました。

ガーベラは、生花で楽しむ時間は長いのですが、ドライにすると、うまくいきません。
水分が多くて乾くのに時間がかかり、その間に花びらがくるんと丸まってしまうのです。
トルコキキョウやリンドウも、薄い花びらに水分が多く、乾くとぐったり茶色っぽくしぼんでしまいました。
私自身は試していませんが、カラーやゆりも、水分が多く花びらが大きいため、一般的にはドライに向かないと言われています。

これらの花は、生花のまま最後まで飾りきってあげる方が、無難です。
よくもらう花でも、ドライに向く花
もちろん、一般的な花束のなかでも、ドライにして楽しめる花もあります。
その代表はバラ。
花びらが厚くて水分が少ないので、ドライにしやすい花です。
花束の主役がそのまま残せるのは、うれしいですよね。



思い出が、そのまま形になりますよ。
かすみ草も、もともとカサカサした質感で失敗しにくく、束に混ぜるだけで様になります。
カーネーションも、ドライフラワーとして楽しめる花です。
「花びらが多くて乾きにくいから難しい」と言われることもあるのですが、私はバラと同じような感じでドライにしています。
ただ、これらの花も、ただ吊るすだけではなかなか色が残りません。
きれいに色を残すコツについて、お伝えしていきます。
なぜ、ドライフラワーは色が変わってしまうのか


赤いバラが黒ずんでしまったり、白い花が茶色くくすんでしまったり。
あの「がっかり」について、まず原因をしっておきましょう。
原因1:光で色素が分解される
いちばん大きな原因が「光」です。
直射日光の紫外線はもちろん、普段のお部屋の照明や、窓から入る日中の光に含まれる光でも、花の色素は少しずつ分解されて、色が抜けていきます。
特に、赤や青、紫といった濃い色ほど、色あせると目立ちやすい傾向があります。
明るい窓辺に飾っていたドライフラワーが、数ヶ月でぼんやり色あせてしまった、というのは、たいていこの光が原因です。
原因2:酸化で茶色くなる(特に白い花)
「白っぽい花が茶色くなる」のは、酸化が主な原因です。
花に含まれる成分が空気中の酸素と反応して、だんだん茶色く変色していきます。
これは特に、白やクリーム色の花で目立ちます。
しかも、湿気が多い環境だと、この酸化のスピードはぐんと速くなります。
白い花がうまく残せないと感じている方は、この酸化が裏で進んでいることが多いんです。
原因3:湿気で色がくすむ・流れ出る
そして「湿気」。
ドライフラワーは、湿度が高い場所に置くと、いったん抜けた水分をまた吸い戻してしまいます。
すると花の組織が傷んで、色素が流れ出てしまうことも。
日本の梅雨から夏にかけては、一年でいちばん湿度が高い季節。
ドライフラワーにとっては、なかなか手ごわい時期なんですね。
色をきれいに残す、具体的な方法


原因がわかれば、やることはシンプルです。
この3つを押さえるだけで、仕上がりはずいぶん変わります。
まずは、特別な道具がなくても、すぐに始められる方法をご紹介します。



ドライフラワーは気軽にはじめられますよ。
速く乾かす ― いちばん大事
色が変わってしまうのは、乾くのが遅くて、その間に変色する「時間」を与えてしまうから。
だから、できるだけ速く乾かすことが、いちばんのポイントです。
道具がなくてもできる工夫があります。
- 小さく束ねる、または一本ずつ吊るす
大きな束にすると内側が乾きにくく、そこから傷んでしまいます。少量ずつのほうが、断然速く乾きます。 - 風を当てる
エアコンの風やサーキュレーターを当てると、乾燥が一気に進みます。お部屋の湿度を下げる意味でも効果的です。 - 晴れの続く時期に始める
乾き始めの数日が勝負なので、梅雨や雨の日は避けるのがおすすめです。
実は私の場合、サブスクで花が少量ずつ届くので、自然と小分けになっていました。
これが結果的によかったみたいで、大きな花束を一度に乾かすより、きれいに残ってくれます。
光を避ける ― 暗い場所に吊るす・飾る
乾かすときも、飾るときも、光を避けるのが鉄則です。
乾かす場所は、窓のない暗めの場所が理想。



私は最近、なるべく玄関に吊るすようにしています。
クローゼットの中や、北向きの部屋の隅、廊下なども向いています。
しがちなのが、飾るとき。
せっかく色が残っても、明るい窓辺に飾ると、数ヶ月でかなり色が抜けてしまいます。
飾る場所は、壁ぎわや棚の影など、光が直接当たらないところを選びましょう。
湿気を避ける ― 乾燥も保存も
湿気対策は、乾かすときと保存するときの両方で大切です。
乾かすときは、風通しのいい場所を選びます。
暗いからといって、湿気のこもる場所はNG。
たとえばトイレに吊るすなら、暗さは理想的なのですが、換気扇を回して空気を動かすようにすると安心です。
浴室まわりだけは、湿気の巣窟なので避けてください。
乾いたあとも、すぐに飾らない分は、密閉できる袋や容器に乾燥剤と一緒に入れて保存すると長持ちします。
お菓子の袋に入っている小さなシリカゲルで十分です。
特に白い花は、こうして空気と湿気から守ってあげると、茶色くなるのを多少防げます。
正直に言うと、私自身、白い花はいまだに苦戦しています。
玄関に吊るすようにしてからは前よりよくなったものの、それでも白はどうしても茶色くくすみがち。
調べてみたら原因は酸化で、乾いたらすぐ密閉して保存するのが対策とのことだったので、私もこれから試してみるところです。
もっときれいに残したいなら:シリカゲル法
ここまでは吊るすだけの手軽な方法でしたが、「この一輪だけは、できるだけ色を残したい」というときには、シリカゲルを使う方法があります。
少し手間はかかりますが、仕上がりは段違いです。
作り方は簡単ですよ。
- 密閉できる容器に、ドライフラワー用(または食品用)のシリカゲルを底に敷きます。
- 花を上向きに置き、花びらのすき間にもそっとシリカゲルを流し込みながら、花全体を埋めていきます。
- ふたを閉めて、1週間~10日程待ちます。花びらの先までパリッと乾いたら完成です。
ポイントは、一気に乾かすことで色が抜ける前に水分を抜けること。
だから、吊るすと茶色くなりがちな赤いバラも、この方法ならあの深い赤を残せます。
花びらの多いバラやカーネーションのように、ハンギングだと難しい花にも向いています。
少しハードルが高く感じるかもしれませんが、必要なのはシリカゲルと密閉容器くらい。
どちらもネットで手軽に手に入りますし、シリカゲルは繰り返し使えるものもあります。
本格的にドライフラワーを楽しみたくなったら、ぜひ試してみてください。
色を残しやすい花、残しにくい花の傾向


最後に、花の「種類」ではなく「色」で見た傾向もお伝えしておきます。
これを知っておくと、もらった花を見て「これは残しやすそう」と見当がつくようになります。
濃い色は残りやすい
赤、濃いピンク、紫など、もともと色が濃い花は、ドライにしても色が残りやすいです。
多少色あせても、深みのある色合いとして楽しめます。
色を残したいなら、濃い色の花を選ぶのが近道です。
白・淡い色・黄色は抜けやすい
一方で、白や淡い色は、どうしても茶色っぽくくすみやすいです。
黄色も、色が抜けて白っぽくなりやすい色。これは家庭でのドライにはつきものの現象で、完全に防ぐのはなかなか難しいところです。
ただ、淡い色が褪せていく様子を「アンティーク調」として楽しむ、という割り切り方もあります。
くすんだ色合いには、生花にはない、時間を重ねたような味わいがあるんです。




きれいに残せると、もっと楽しくなる


コツがわかってくると、不思議なもので、いろんな花でドライを試してみたくなります。
そうなると今度は、「ドライに向く花を、どうやって手に入れよう」と思うようになるんですね。
自分では選ばなかった花との出会い
ここでぜひ紹介したいのが、スターチスと千日紅(センニチコウ)。
実はどちらも、私は花のサブスクを始めるまで知らなかった花です。
自分でお店に行っても、たぶん選ばなかったと思います。
それが、定期便だと向こうから届く。
そして乾かしてみたら、驚くほどきれいに残ってくれました。
スターチスはもともと乾いたような質感で色落ちもしにくく、千日紅は丸いころんとした形がそのまま残ってくれます。
どちらも、私のところに届いて初めて出会えた、ドライにぴったりの花でした。
「サブスクをやると、自分では選ばない花に出会える」。
これは、やってみるまで気づかなかった、思いがけない楽しみのひとつです。




サブスクで届いたスターチスが気に入ったので、スターチスだけの花束を「FLOWER」で購入しました。
とてもボリュームがあって、大満足です。
飾って、乾かして、少しずつ残していく
そして、サブスクとドライフラワーは、相性がとてもいいんです。
毎週少しずつ花が届くので、飾って楽しんだあと、傷む前に向いた花だけをそっとドライに回す。
一度に大きな花束を買うと、ドライにするにも一気に乾かすことになりますが、少量ずつ届くと自然と小分けになって、これがきれいに乾くコツとも噛み合っています。




飾り終わった花を手放すのではなく、次の姿に変えて残していく。
そうして少しずつドライフラワーが手元にたまっていく時間が、思っていた以上に楽しいのです。



最近は、ドライに向く花が入っている方がうれしくなります。
そして、少しづつ足していくと、ドライフラワーの花束になります。
多少色が悪くても、ボリュームを出すのに役立ってくれていますよ。




私が実際に使っている花のサブスクについては、別の記事で正直な感想をまとめています。
気になる方は、そちらものぞいてみてください。
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まとめ|花を最後までやさしく使い切る
ドライフラワーは、花を選んで、ちょっとしたコツを押さえれば、もらった花をぐっと長く楽しめます。
おさらいすると、色をきれいに残す鍵は、速く乾かす・光を避ける・湿気を避けるの3つ。
濃い色の花を選び、暗くて風通しのいい場所で、できるだけ手早く乾かす。
それだけで、仕上がりはずいぶん変わります。
それに、特別にきれいに残さなくても、ドライフラワーは十分楽しめます。
ほんの数本の花からでもいい。
あなたも、花のある暮らしをはじめてみませんか。
最後までお読みいただきありがとうございました。







